アベノミクスによる円安誘導策は功を奏しています。日経平均は先週末までに週間ベースで12週連続で上昇しています。「岩戸景気」のさなかの1958年12月~59年4月の17週連続に次ぐ54年ぶりの記録といいます。実際にまだ、アベノミクスが本格的に動いているわけではなく、「今から動くぞ」という宣伝効果で、こうした現象が起きています。私は、円はこれまで高すぎる相場で動いてきたと考えています。つまり心理的な変化をもたらす政策があれば、1ドル=100円程度にはなるし、それはかなり持続すると思っています。安倍首相は金融緩和策をアベノミクスの中心に据えていますから、また円高に戻りかけることがあっても、大きな動きとならず、長期にわたっての円安が進むと考えています。 非常に日本経済に効果がある円安ですが、円安が進むと、「喜ぶ人もいれば、困る人もいる」といういい方が出てきます。つまり功罪相半ば論が出てくるのです。