「15歳の春。僕がはじめて憧れた人は、復讐鬼だった。」――2004年に放送されたアニメ『巌窟王』は、アレクサンドル・デュマの古典を大胆に翻案したパンク・オペラである。 人物の衣装や装飾にテキスタイルを用いた革新的なアニメーションと、男同士の友情とも愛情ともつかない巨大な感情が復讐劇に乗せて紡がれた、全24話の伝説的な作品だ。 あれから15年。今年、『巌窟王』が舞台化する。アニメーションのフィールドで生まれた果実を、2.5次元舞台の叡智が受け継ぎ、あらたな色彩を加え、蘇らせる。 このたび、15歳の青年貴族・アルベールをアニメで演じた声優の福山潤と、舞台で演じる俳優の橋本祥平の初対談が実現。当時25歳だった福山と、現在25歳で演じる橋本。これは運命だろうか? 本番終わりに駆けつけた橋本を福山が気遣い、初対面とは思えないほどリラックスしたムードで進んだ対談。アニメと2.5次元というふたつの活発な