いきなり核心から入るが、天上ウテナと姫宮アンシーは二人で一人、つまり同一人物である。 『少女革命ウテナ』という物語を極端に要約すると、 「現実世界があまりに過酷なため、丸ごと一人では生きられず、半分に分裂した虚構として生きていた女の子が、最後に元の一人の人間にもどる」 ということになる。 はじめにあるのは“絶望” この作品では、幼いころのウテナの回想として以下のエピソードが繰り返し語られる。 ~突然の事故で両親を失い一人残された幼い少女は、残酷で理不尽な世界への恐怖と、有限の命への絶望のため柩(ひつぎ)の中に閉じこもり、生きること自体を放棄してしまっている。そんな彼女の前に王子様(ディオス)が現れ、「永遠なんてあるわけない」という彼女に“永遠のもの”を見せて柩の外へと救い出す。~ ・・・そして、その“永遠のもの”の正体とは“無数の剣に串刺しにされた女の子(アンシー)”だった、ということが終