今回は論文の紹介です。「History Rhymes:The German Precedent for Chinese Seapower」は、現代中国とドイツ帝国の比較論です。著者のJames R.HolmesとTOshi Yoshiharaはアメリカの軍大学の研究者です。 この論文はアメリカの対外政策研究財団「Foreign Policy Research Institute」がだしている雑誌「Orbis」の2010年冬号に収録されているものです。最近一部で話題になっている論文「アメリカはいかにして2015年の海戦に敗北したか」(参考)が同じ巻に収録されています。そちらは2015年にアメリカ海軍が中国に空母を撃沈され、西太平洋の支配権を失う、という衝撃的な想定を提起した論文です。 今回とりあげる「History Rhyme(歴史の韻)」も同様に、アメリカの海洋覇権に挑戦する中国の台頭につ