社会参加を促す建築を目指して インタビュー/アンドリュー・マークル 畠山直哉, せんだいメディアテーク, 「Under Construction」(1998-2001)より ART iT このたび、若手建築家養成講座、小学校高学年を対象とした子ども建築塾に一般講座を加えた建築塾を設立されると伺いました。設立に至った理由や建築における教育の役割について聞かせていただけますか。 伊東豊雄(以下、TI) 僕自身は大学では客員教授や非常勤としてしか教えた経験がないんです。建築の設計にとって、現在大学で行われている教育が必ずしも適切なものだとは思えないからです。そこで、だいぶ前からプライベートな建築塾をやってみたいと感じていました。大学の教育でなにが不適切かというと、今の日本の大学の建築学科の先生は必ずしも建築家ではない。むしろ研究者が中心です。ですから、現実に建築をつくるという前提に立っていないの