「アンネの日記」や関連図書が東京都内の複数の図書館で相次ぎ破られた事件で、米国のユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副代表が20日、「衝撃と強い懸念」を表明した。「日本の当局は犯人の特定と対処を」と求めている。 クーパー氏は「多くの日本人がいかにアンネ・フランクを学び、敬意を表してきたかを知っている」としつつ、「この事件は、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の犠牲となったユダヤ人の子どもの記憶を中傷する組織的活動の存在を強く示唆している」と非難した。 同センターは昨夏、麻生太郎副総理が憲法改正を巡り、ナチスを引き合いに「手口に学んだらどうか」とした発言も抗議した。(ロサンゼルス=藤えりか)