海面の一点にじっととどまり、掘削用のパイプをまっすぐに下ろしていく。地球の謎を解き明かすため、海底に穴を開け、深く深く掘り続ける。目指すは海底下約7000メートルにある巨大岩石の「マントル」だ。 デリックに上がり、見下ろすと、青い鉄骨が船を包み込むように広がった。掘削パイプをつなぎ合わせ、回転させる「ちきゅう」の心臓部だ=静岡市清水区の清水港(魚眼レンズ使用) 海底下7000メートルまで掘ることができる世界一の掘削能力を持つ科学掘削船として、平成17年に就航した地球深部探査船「ちきゅう」。独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が所有し、生命の起源や地球規模の環境変動の研究に使われている。