ウェブ上での「表現の自由」議論の中で、頻繁に話題に上がるのが「性表現」に関するものだ。大手コンビニエンスストアが成人誌の扱いを取りやめたこと、また日本赤十字社の漫画『宇崎ちゃんは遊びたい』(KADOKAWA)とのコラボポスターのような、メディアでの女性の描かれ方への批判は注目されることが多い。 しかし肝心の議論の中身となると、同じように見える批判と、それに対する反論が繰り返され、平行線を辿っているように見える。特集「表現と自由」の中で、性表現に関する議論は欠かせないだろう。そこでジェンダー・セクシュアリティ等の研究をしている堀あきこさんに、フェミニストはなぜ批判をしているのか、そもそも法規制を求めているかなど前後編に渡ってお話を伺った。 堀あきこ 大学非常勤講師。社会学、ジェンダー、セクシュアリティ、視覚文化が専門。主な著作に『BLの教科書』(共編著, 有斐閣, 近日刊行)、『欲望のコード