利用者の操作を把握した後,画面のビジュアル・デザインに着手する。 ビジュアル・デザインにおいても,シンプルであることは重要なポイントである。「よく切れるナイフ」がシンプルで美しい機能美を備えているように,「使いやすいシステム」もまた,シンプルで美しいビジュアルを伴っているものだ。派手な見た目や奇をてらった演出はいらない。必要十分な画面要素を人間の認知心理に基づいて論理的に配置すれば,十分に使いやすいビジュアル・デザインを作り出せる。 要素を絞って目立たせる 図1は,ビジュアル・デザインを見直し,使い勝手を改善した例である。この画面はどちらも,デジタル・カメラの写真データからカレンダーを作るという電子商取引システムのトップ画面である。改善前より改善後の画面の方が,「オリジナルのカレンダーを作ろう」という提案メッセージが伝わってこないだろうか。 主な改善点は,表示要素を大幅に絞り込んだことであ
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