最後まで響いたけが=プルシェンコ、棄権で幕〔五輪・フィギュア〕 プルシェンコの棄権が伝えられた会場は、驚きを通り越し、静かにざわついた。直前の6分間練習でトリプルアクセルを着氷した際に「刺されたような」痛みが腰に走り、右足の感覚が薄れていった。ロシアの英雄は悲しそうに頭を振る。ジャッジに自ら棄権を告げると、リンクを去った。 団体ではSP、フリーとフル回転し、母国に金メダルをもたらした。約2年ぶりの主要国際舞台で健在ぶりを示し、個人戦への期待も一段と高まっていた。輝かしい競技人生の裏でつきまとってきたけがが、こんなところで邪魔をするとは。 ロシア男子の出場枠は一つだけ。この選考で、ひと悶着(もんちゃく)があった。昨年末のロシア選手権で18歳のコフトゥンが優勝し、プルシェンコは2位。しかし、ロシア連盟は1月にプルシェンコだけの試技会を開いて代表に選んだ。初採用の団体で、金メダルを逃すわけに