米IBMは5月3日、貝殻や雪の結晶、歯のエナメル質の形成などに見られる「自己組織化」の原理を、半導体回路の形成に応用した技術を発表した。 従来の半導体製造では、半導体ウエハー上にレジストを塗布、回路図の形状を描いたマスクを用い、光を照射する部分を制御して、必要な形状をレジスト上に描く。そして露光したウエハーから余分な部分のレジストを除去するというプロセスが行われる。 新技術では、化学物質を混合したものをパターンを置いたシリコンウエハーに注ぎ、焼き付ける。すると化学物質は規則性を持って自己組織化を始め、数兆個ものナノスケールの孔を、ウエハー上に形成する。これらの孔は直径20ナノメートルで、現在の最新リソグラフィー技術で形成可能な孔(パターン)の5分の1以下という小ささだ。 無数の孔が形成された時点で、カーボン珪酸ガラスを除去すると、配線と配線の間に真空、つまり「エアギャップ」が生成される。こ