フローラン・ダバディ氏に聞く、移民選手のアイデンティティ 後編 メスト・エジルのドイツ代表引退騒動に象徴されるように、サッカー界と移民選手の向き合い方がクローズアップされている。ロシアW杯を制したフランス代表も移民問題を抱えながら歩み続けてきたチームだ。しかも近年、フランスに生まれたアフリカ系のトップ選手が祖国の代表チームを選ぶケースも出てきている。ジャーナリストのフローラン・ダバディ氏にフランスの移民社会について話を聞いた。 ←前編へ ● ● ● 移民選手と若者のアイデンティティ ── では、これまでうかがった社会的な背景と育成・選考面での背景を踏まえて、選ばれる選手側の論理についてダバディさんはどう感じますか? 「純粋にキャリア的な旨味を考えてということももちろんあると思います。フランス代表のレベルにない選手が祖国の代表を選ぶことで『代表』という肩書きがついて市場価値も上がりますし、さ