ブックマーク / book.asahi.com (5)

  • 「ヤバい神」 残された矛盾 文脈から解明 朝日新聞書評から|好書好日

    「ヤバい神」 [著]トーマス・レーマー 書は、旧約聖書(ヘブライ語聖書)への読書案内であり、「ヤバい神」とは、そこにあらわれる神のことである。私は中学生の時、初めて冒頭の「創世記」を読んで驚いた。そこに描かれた神は、「政治的正しさ」からはほど遠かったからだ。書の原題の直訳は「わかりにくい神」だが、「ヤバい」という訳語は的確だと思う。 ヤバさの有名な例に、アブラハム物語がある。神は、高齢のアブラハムに息子イサクを授けるが、アブラハムの信仰を試す「試練」として、幼いイサクを生贄(いけにえ)に献(ささ)げるよう命じる。アブラハムは命令に従おうとするが、その信仰を認めた神が止め、イサクは助かる。この不条理な物語に対し、哲学者カントは、アブラハムはそのような非道徳的な命令を下す者が神であるはずがないと答えるべきだったと述べた。一方キルケゴールは、アブラハムの信仰を讃(たた)えた。この物語は、数多

    「ヤバい神」 残された矛盾 文脈から解明 朝日新聞書評から|好書好日
    d-ff
    d-ff 2022/07/17
    最大の読み物はヨブ記だろう。主だった小説家にエッセイを書いてもらいたいぐらい。エリスンの「ヒトラーの描いた薔薇」を読んで以来、ラッパーファッションでキメた軽躁、不条理のイメージが焼きついてしまった。
  • 読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(前編)|じんぶん堂

    記事:幻戯書房 『もう一つ上の日史』と『日国紀』単行・文庫版 書籍情報はこちら 2021年11月17日、百田尚樹著『[新版]日国紀』(幻冬舎文庫)という(全二冊)が出版されました。三年前に出た同著者による『日国紀』というの文庫版で、カバーや帯、版元の公式サイトには「当代一のストーリーテラーによる日通史の決定版」「知られざる史実と感動の歴史秘話が満載」「満を持して、待望の文庫化!」「大増量150ページ!! 著者こだわりの超大幅加筆により新しく生まれ変わった、令和完全版!」などという、思わず胸が高鳴るような文言が並んでいます。 今年に入り、この文庫(以下「文庫版」)の刊行予告がアナウンスされて以来、私にはずっとその存在が気にかかってきました。というのは昨年(2020)、『もう一つ上の日史 『日国紀』読書ノート 古代~近世篇』『近代~現代篇』という、『日国紀』(以下「元版

    読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(前編)|じんぶん堂
    d-ff
    d-ff 2021/12/22
  • 「三体」監修・立原透耶さんインタビュー 中国SF界に現れた、突然変異的なスペースオペラ|好書好日

    文:ハコオトコ 立原透耶(たちはら・とうや)作家・翻訳家 1969年生まれ。ファンタジーなど幅広い作品を執筆。「ひとり百物語」シリーズ(メディアファクトリー)など著作多数。華文SFの翻訳も長く手掛け、最近も中国語圏の作家の作品を翻訳した『時のきざはし 現代中華SF傑作選』(新紀元社)を出版。 戦後、ソ連の影響を受けた中国SF ――翻訳・監修に多くの人が携わった「三体」シリーズ邦訳版ですが、立原さんは主に和訳された文章と中国語の原書と乖離が無いか、固有名詞やルビのミスが無いかなどをチェックする「総監修」を担当しました。華文SFに造詣が深く、翻訳も長く手掛けてきた立原さんですが、まずは三体の背景にある中国SF事情、歴史を教えてください。 第二次世界大戦後、中国ではソ連のSFが最初に(大々的に)影響したと思います。同じ共産国として中国の目指す科学技術立国、「頑張ったらこんな良い未来があるんだよ

    「三体」監修・立原透耶さんインタビュー 中国SF界に現れた、突然変異的なスペースオペラ|好書好日
    d-ff
    d-ff 2020/07/14
    ポストヒューマン+スペースオペラとくればフレデリック・ポールによる諸作なのであるが、もはや「古典」かな。昨年読んだ小説でヘミングウェイが並ぶ本棚を見、古典に造詣が深いと主人公が語る場面にのけぞった。
  • 朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日

    1位 『1Q84』(村上春樹、新潮社、2009年) 『1Q84』はBOOK1・2が平成21年、翌年BOOK3が刊行された。夜空に二つの月が浮かぶ「1Q84年」の世界で、10歳で離ればなれになった青豆と天吾が再会するまでの物語。カルト教団も描かれたことで、高い注目を集めた。毎日出版文化賞。21年の年間ベストセラー第1位(日販調べ)で、単行・文庫の累計部数は約860万部。 京都大教授の中西寛さんは「平成時代において最も注目を集めた文芸作品。野茂英雄が野球の世界で行ったように、日語文学の世界性を意識させた」と解説する。コラムニストの堀井憲一郎さんは「平成時代は『村上春樹の時代』でもあった。この書籍に対する期待度と売れ具合は尋常ではなかった。日常生活でふつうの人が小説を話題にできた最後の作品だったかもしれない」と評価した。文筆家の青木奈緒さんも「平成の日の世相を描いた、平成を代表する小説」と

    朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日
    d-ff
    d-ff 2019/03/08
    ABCお笑い新人グランプリを町田康の講評目当てで視聴していた時期があった(後任の大森一樹がダメで離れた)。ちなみに30冊中読んだのは「磁力と重力の発見」のみ。翻訳(小説)以外はとんとご無沙汰でしてな。
  • コラム別に読む : 慶應幼稚舎の流儀 [著]歌代幸子 - 青木るえか | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■愛校精神がダダモレしてないか? 慶應幼稚舎の新書は前にも出ていて、慶應幼稚舎をホメそやしてあったが、どんな小学校だって探せばいいところも悪いところもあるだろう。私が通ってた武蔵野市立井之頭小学校にいい思い出はほとんどないが、救いようがないほどひどかったとも言えない。イヤな思い出にしろ、そのイヤな目が今の自分をつくったという意味で、それなりに意味があるだろう。しかし井之頭小学校の新書は出ない。 なぜ慶應幼稚舎か、といえば「有名で、入るのが難しくて、金持ちが多そう」というイメージが日中に広まっているからだ。じゃあ現実はどうかと、このが出るのもわからないではない。「六年間担任持ち上がり制」や幼稚舎には下駄箱がないなどの「理想の教育」が具体的に書かれている。だが、そもそもが親には金銭的にも精神的にも余裕があり、そういうところの子供が集まってる小学校も余裕綽々の教育が行われている。そりゃよかっ

    コラム別に読む : 慶應幼稚舎の流儀 [著]歌代幸子 - 青木るえか | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    d-ff
    d-ff 2016/07/17
    慶応一家の某女性タレントが片親だと不利なので我が子の幼稚舎受験が終わるまで離婚を延期したという(あやしい・まことしやかな)芸能ニュースを聞き、そんな認識を抱く、人格形成に影響する教育機関かと驚いた。
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