医師・看護師らの大量退職が続き、毎月2億円を超す赤字が出ている東京女子医科大学病院。名門病院の凋落を招いたとされるのが“女帝”理事長・岩本絹子氏(75)の経営方針だ。彼女の公私混同と、元宝塚スター親族企業も関係していた、3つの「疑惑のカネ」について全貌を明らかにする。(全3回の2回目。1回目を読む) ◆◆◆ 【疑惑のカネ1】直轄組織で水増し・架空請求の疑い 「教授より2倍以上も給与が高い、出向の事務職員がいるらしい——」 学内で広まっていた都市伝説のような話に、“第一の疑惑”が隠されていた。 2014年、岩本氏は東京女子医科大学の副理事長になった際、直轄の「経営統括部」を新設した。これによって、カネ・ヒト・モノ・情報の全てを岩本氏が掌握する体制を作ったのである。 翌年からその経営統括部に、自身が会長を務める至誠会(同窓会)が運営する至誠会第二病院から職員を出向させた。年間最大6人で、19年