今月、三回忌を迎えた松江高専の元校長、故宮本武明氏(京都市)をしのぶ会が松江市内であった。奥さんの出身地という縁もあって赴任した同高専を「教えて良し」「学びて良し」「世間良し」と近江商人の「三方良し」になぞらえた学校経営で全国トップレベルに引き上げた功績を有志が語り合った▼宮本氏は2006年3月までの6年間、校長を務め、トップに権限を集めた独立行政法人化を追い風に低迷していた同高専を次々に変革していった▼全国工業高専で初の環境ISOを取得したほか、学生を全国高専ロボットコンテストでの初優勝や、同プログラミングコンテスト(プロコン)での2年連続の最優秀賞に導いた▼さらに外部競争資金の獲得に果敢に挑み、着任時ゼロだった文部科学省の科学研究費補助金の採択数は離任の年、全国一になった▼宮本氏のまなざしは地域産業界にも注がれた。地元企業100社との協力会「松江テクノフォーラム」を立ち上げ、産学連携を