麻疹ウィルスに感染すると、10日前後の潜伏期を経て、38~39℃程度の発熱が現れます。この時期をカタル期と呼びますが、症状は咳・鼻水・結膜炎などだけであり、まだ発疹は出現しません。このため経過の最初から「これは麻疹である」という診断をつける事は不可能です。しかもやっかいな事に、この時期が最も他者への感染力が強いのです。 カタル期は2~4日程度続きます。多くの例でその最後の頃に頬粘膜にコプリック斑と呼ばれる白色小斑点が出現しますが、これは麻疹特有のものなので、これが確認されれば発疹出現前に麻疹と診断できます。ただしコプリック斑が出ている時期は短いので、タイミングよく受診でき、しかも医師がそれに気づかないと発見されません。 典型的な麻疹ではカタル期の後に一旦熱が下がるのですが、その後、発疹出現と共に再度発熱します。発疹は全身に広がり、やがて色素沈着を残して消退していきます。 治療法はなく、かか