かなり重症の高齢者が救急病院に運び込まれた場合、蘇生するのか、見守るのかは現場が直面する大きな問題だ。 本人の意思が確認できず、、また家族の同意が確認できない場合は、医師は「訴えられたら大変だ」と考えて、できるだけの治療を施そうとする。だが中には、患者さんのためにならないばかりか、多額の医療費を使うことになりかねない処置もある。 そのため最近は、運び込まれた時の延命処置の希望を事前に確認しておく病院も増えている。実際は、いつなんどき倒れてもおかしくない高齢者に、医師の方から「もし意識不明で病院に運び込まれたらどうしますか?」とは尋ねにくいので、もしも延命処置を望まないのなら、「その旨を明記できる書面はありませんか?」と逆に聞いてもらえるとありがたい。