米国では飲食店や理髪店、タクシーなどを利用した際にチップを要求されることが一般的だ。しかし、近年では小売店で商品を購入する際にもチップを要求されるなど、従前はチップを要求されなかったようなサービスに対してもチップを要求される機会が増加している。ウォールストリートジャーナル(WSJ)による中小企業517社に対する調査1では会計時にチップを残すように顧客に要求する企業の割合は19年の6.2%から23年は16%に増加したことが示されている。また、ピューリサーチによる23年8月の調査2でも米国成人の72%が5年前に比べてチップを求められる場所が「増えている」と回答しており、「変わらない」(23%)や「減った」(5%)を大きく上回っている。 実際に筆者も昨年から米国出張を再開する中で、ドラッグストアのセルレジなどでチップを要求されて辟易とした。これはコロナ禍前では考えられないことだ。チップを支払うか