白地に赤い文字で「727」。新幹線の車窓を眺めていると、田んぼの真ん中によく立っている看板だ。 これは大阪に本社を置き、美容室を通じて販売を行う化粧品メーカー「セブンツーセブン」の広告。ちなみに、新幹線の車窓から見える野立て看板の中では最多本数(約40本)を誇る。 車窓はネタの宝庫 本書は、こうした新幹線の車窓から見える気になる看板、面白い物件、不思議な建物などを紹介する1冊だ。いずれも、一般の旅行ガイドには決して載らないものばかり。 帯文には「東京~新大阪の2時間半が100倍楽しくなる本」とある。東京~新大阪間。普通なら、本や雑誌を読む、ノートパソコンで仕事をする、たまに流れゆく風景に目をやる、あるいは眠る。そんなところだろう。 実際に、著者も書いている。 〈車窓風景は鉄道の旅に欠かせない楽しみのひとつ。でも、新幹線に乗ると、窓の外を見ている人は思いのほか少ない。仕事で頻繁に利用するビジ