民主党という政党を語るとき、しばしばブーメランという言葉が持ち出される。敵を倒すために投げつけたはずの武器が、自分に戻ってきて避けきれず自爆するという比喩で用いられている。 自民党閣僚の年金未納問題を追及していた菅直人代表(当時)に、自らの未納疑惑が発覚したり、自民党議員の事務所・光熱水費の問題を追及すれば、小沢一郎代表(当時)に不動産取得の問題が浮上したり…。チャンスをことごとくピンチに変えてしまい、政権交代に期待を寄せていた人たちを大いに失望させたものだ。 民主党のブーメランが最大の破壊力を発揮してしまったのが平成18年のいわゆる偽メール事件だ。自民党を追いつめるはずが、逆に自分たちのトップ(当時は前原誠司代表)の交代を余儀なくされる結果となった。これ以上ない正確無比なブーメランぶりだった。 そのとき、国対委員長の職を引責辞任したのが、ほかならぬ野田佳彦首相だ。あれから5年余りの歳月が