この1カ月半、日本のポップカルチャーやコンテンツ産業のことに頭が支配されていた。日経ビジネス7月14日号の特集「コンテンツ強国へ この“熱狂”を売れ!」を担当していたからだ。雑誌は無事に納本されたが、まだ頭が切り替わっていない。 7月14日からは、日経ビジネスオンラインで特集連動連載が始まっており、今も特集に関連した原稿を書き続けている。だからここでは、この特集や連動連載を通じて悩み続けたことを書こうと考えた。悩みとは、「クールジャパン」という言葉の扱い方についてである。 クールジャパンとは、使う人、受け取る人によって定義や捉え方が異なる実に曖昧模糊とした言葉だ。曖昧にふわりと使える「マジックワード」となりつつある。だからこそ、記事で使うことを避けるべきだと思う半面、何の記事なのか一発で伝えることができる便利な言葉であることも確かであり、どうすべきか逡巡していたのだ。 起点となった米ジャー