数ある電子デバイスの多くは、その機能や性能のかなりな部分をその材料に依存している。2019年のノーベル賞で話題になったリチウムイオン電池を思い浮かべれば、材料の重要性は明らかだろう。リチウムイオン以降しか知らない若者と違い、それ以前の電池しかなかった時代を知っている年寄りにしてみれば、リチウムイオン電池は確実に社会の変化をもたらすインパクトがあったという実感がある。 ただ、そこは凡人、同時代には気付かず、「今にして思えば」の後付けの感想でしかないが。偉大な進歩であったリチウムイオン電池にして、原理の発見から実用化までに長い時間がかかったことは報道されている通りだ。 それどころか、商用化された後もしばらく赤字の時代があって苦しかったことが今回の受賞エピソードで語られてもいる。いい材料を見つけ、長年の努力で量産化にこぎ着けても、それを使ってくれる大きな用途が出現してくれないことには成功には至ら
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