娘と姪っ子たちの笑い声がはじけとんでいる。 夫は家ではみせない穏やかな微笑をまとい、 いつもは自分から発することのない さして興味などないであろう質問を 家族や親戚たちに投げかける。 大晦日の朝、シーツをリビングに干して 掃き掃除を途中で放り出し、 新幹線に乗りこむために 夫と娘と3人で家をとびだした。 そしてたどりついた夫の実家で 今年も新年を迎えた。 あふれんばかりの料理にスナック菓子、 山のようなおみやげのスイーツ、 お茶がわりのジュース。 休むまもなく勧められるそれらに 娘は目を輝かせたあと、 ふっと顔をあげ 私の顔色をうかがうように見る。 娘にとってここはパラダイスだ。 夫にとってここはオアシスなのだろうか。 じゃあ、私にとっては。。。 子どもの頃、確かにあこがれた光景が 目の前にある。 だけど、少なくともパラダイスではない。 オアシスでもない。 子どもの私が求めてやまなかった団
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