【ワシントン=山田哲朗】米航空宇宙局(NASA)は1日、月に眠っている水の量は6億トンに達すると発表した。 黒部ダムの貯水量の3倍にあたり、将来の月探査で利用できる可能性が高まった。 NASAは、インドの探査機「チャンドラヤーン1号」に積んだレーダーで月の北極域を分析、直径2〜15キロ・メートルのクレーター40個以上で、氷があるのを確認した。氷の厚さは数メートルと見られ、総量は少なくとも6億トンと推計した。 月の極域は太陽光がほとんど当たらないため、氷が解けずに保存されている。NASAは昨年10月に無人探査機「エルクロス」を月面に衝突させ、巻き上がったちりを観測。氷のかけらや水蒸気の形でちりに含まれていた水の量は100キロ・グラム程度と推定していたが、月面の水の総量は不明だった。 NASAは「月は思っていたより魅力的な目的地だ」としている。