水をためて安全性を確認する試験湛水(たんすい)中の群馬県の八ツ場ダム(長野原町)の貯水位が12日、最低水位(標高536.3メートル)となった。台風19号に伴う豪雨の影響で10月15日に満水(同583メートル)となり、その後は放流を行い、1日1メートル以内で水位を下げていた。安全確認の最終工程となる試験湛水は当初予定よりも早く大詰めを迎えた。 国土交通省八ツ場ダム工事事務所によると、最低水位となったのは12日午後4時ごろ。現時点で地滑りなどの異常は確認されていない。今後は水位を維持しながら、引き続きダム堤体と貯水池周辺の安全性を確認する。堤体や貯水池周辺に設置した計器類の数値をチェックし、斜面の状況も目視する。ダム本体は建屋工事などが残っており、本年度末の完成予定に変更はないという。