2016年5月13日 作成 地質情報研究部門 斎藤 眞・宮崎一博 今回の2016年熊本地震に関連して、中央構造線についてさまざまな専門家が見解を述べています。ここで地質学の面から見た中央構造線について整理します。 1.中央構造線とは 中央構造線とは、西南日本 (特に関東西部〜四国) で、地質が大きく異なる境の断層線のことです。これを境に地質学的には北側の「地域」を西南日本内帯、南側の「地域」を西南日本外帯と呼ぶことが普通です。断層は「面」ですので、その面が地表(ないしは基盤地形)に現れると「断層線」になります。 2.中央構造線と中央構造線活断層系の違い 地層境界断層としての中央構造線(断層)は日本列島の長い歴史の中でできた地層の「古傷」であり、活断層群である中央構造線活断層系(四国〜紀伊半島西部)はその一部を使って現在活動している断層のことです(図1)。 専門家でもこれを混同している
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