戦後の闇市でマニアをはじめとした世界有数の電気街として発展した東京・秋葉原(千代田区)。時代は進み、AKB48発祥の地から、今やアイドルやアニメファンの聖地と言われるようになった「アキバ」のど真ん中に一見、メイドカフェのようなカラフルな看板が目を引く寿司屋がある。 ビルの2階に上がって店内に入ると、小さくてちょっとほっこりするような見た目の女子が、ちょこまか動き回っている。ここが日本で唯一、女子職人のみが寿司を握る「なでしこ寿司」だ。 日本の代表的な食文化である寿司。歴史は古く、ルーツは紀元前という説もあるが、握り寿司が広まったのは「江戸前寿司」がきっかけ。かつて魚介の宝庫だった東京湾の魚や海苔を使った握りが屋台で人気となり、全国各地へ普及。世界的なヘルシー志向や和食ブームに乗って、今や海外でも人気の料理となった。 暖簾をくぐれば「へい、いらっしゃい」と、ねじり鉢巻きの職人が迎え、おもむろ