第34回 畳だけじゃもったいない――イグサが壁材/食材/薬材に 地球環境問題評論家 船瀬 俊介氏 2006年10月19日 欧米の畳志向、日本の畳離れ 欧米のインテリクラスに畳が人気だ。 この10年で畳の輸出量は約10倍増という。ハリウッド映画「ラスト・サムライ」でも主演トム・クルーズが明治天皇に「日本の伝統文化を大切にして欲しい」と必死で懇願するシーンが印象的だった。欧米人が日本の浮世絵や伝統建築などを絶賛していることは、わたしも『日本の風景を殺したのはだれだ?』(彩流社)で書いた。 いわゆるジャポニズム――。欧米の知識層には、和室を持つことが、一種の知的ステイタスとも聞く。和食ブームにも通じるものがあるようだ。つまり、日本伝統の衣食住文化はエコロジーでヘルシーというあこがれ。一方、日本の若いひとたちはハンバーガーなど肉食文化にどっぷりと漬かり切り、洋風建築スタイルにあこがれて