印刷 鳥浜貝塚から出土したウルシの断面。年輪がくっきりわかる=東北大提供 福井県若狭町の鳥浜貝塚で出土した自然木が、鈴木三男・東北大教授(植物学)の研究グループの調査で、約1万2600年前(縄文時代草創期)の世界最古のウルシと確認された。ウルシのルーツを巡ってはこれまで、中国渡来説が有力視されていたが、縄文草創期の日本列島にウルシの木が自生していた可能性が浮上。日本固有の漆文化が存在したかどうかの議論が高まりそうだ。 研究グループは、鳥浜貝塚で見つかった木材や漆製品計約5千点を分析。このうち1984年に出土した自然木の小枝(全長約17センチ、太さ約1センチ)について、森林総合研究所(茨城県つくば市)の協力を得て断面を顕微鏡で観察。さらに国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で放射性炭素を使って年代測定し、1万2700〜1万2600年前のウルシとわかった。 国内で確認されたウルシの木や種子