ファミリーコンピュータが発売されたのは1983年のことである。当時私は小学4年生。喉から手が出るほど欲しかったが、買ってもらえなかった。「勉強しなくなるから」というのが理由である。テレビゲームは堕落への一歩。親の目にはそう見えたのだろう。 5年生になるまでにはクラスの男子の大半がファミコンを所有していた。置いてけぼりを食った私は、ファミコン関連の会話をしたり、ソフトの貸し借りをしているクラスメートを尻目に、無関心を装っていた。羨ましがっていると思われるのが癪だったからだ。だから友達の家に行った時、ファミコンで遊ぼうなどと言われると、歓喜の雄叫びを上げたくなるのをこらえながら、「つきあってやるか」という顔でプレイしていた。そのくせ、なかなか帰ろうとしないのである。友達も内心苦笑いしていたのではないかと思う。 小学6年の冬、我が家でパソコンを買うことになった。これからはパソコンの時代になるから