「ERSS(緊急時対策支援システム)/SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)」などの設計、改良や運用に携わった松野元さんにインタビューした話はすで本欄で書いた。その著作『原子力防災』には2006年の時点で福島第一原発事故の可能性や、それが起きた場合の避難の方針がきめ細かく述べられていた。 松野さんに取材した時に「もう1人、同じように原発事故に備えた防災システムの設計に関わった人で、危険を警告していた人がいるので、探して取材するといい」と勧められた。それが永嶋國雄さん(71)だった。『原子力防災』の共著者になるはずだったとも教えられた。 ずっと連絡先を探していたのだが、見つからなかった。それが最近になって偶然フェイスブックで連絡が取れた。面会したい旨を連絡したら、快諾してもらえた。9月に横浜市郊外の住宅街にあるご自宅を訪ね、4時間近く話を聞いた。 その内容は、松野さんの