2027年、日本は転機を迎える。東京(品川駅)と名古屋間でリニア中央新幹線(以下、リニア)が開業するからだ。リニアの登場によって、何が変化し、どのようなチャンスが生まれるのか。気鋭の経営学者・入山章栄氏にリニア開業後の”日本の未来”について語ってもらった。 フランス、ロシア、韓国のGDPを上回るマーケットが誕生 超電導リニアの開発は、1962年にまでさかのぼる。東海道新幹線開業の2年前だ。そこから半世紀以上に及ぶ研究と試験走行を経て、日の目を見ようとしている。 リニア開業によって何が変わるのか。注目すべきは、人口6500万人規模という世界に類例を見ない巨大都市圏の誕生だ。既存の東海道新幹線では、東京(品川)から名古屋まで移動するのに約1時間半、新大阪まで約2時間半を要する。一方、時速500キロで走るリニアが開業すれば、移動時間は名古屋まで最速40分、大阪まで最速67分へと大幅に短縮する。三