血縁関係のない子を自分の子として認知した場合、後になって取り消せるか――。この点が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)は14日、「血縁関係がない認知は無効であり、認知者自身が無効の主張をすることも許される」との初判断を示した。裁判官5人のうち3人の多数意見。 訴えていたのは、フィリピン国籍の女性と結婚した広島市の男性。妻が結婚前に別の男性との間にもうけた女児について、自分と血縁関係がないと知りながら2004年に認知した。だがその後、妻と別居状態となり、女児への認知を無効とするよう求めた。 民法785条は「認知をした父または母は、その認知を取り消すことができない」と定めている。ただ、これとは別に786条では「利害関係者は、認知に対して反対の事実を主張できる」とも定めており、親と子に血縁関係がない場合に、親がこの規定に従って認知無効の請求をできるかが主な争点だった。