かつての偉大な研究者の発見である中心極限定理や一般化中心極限 定理に触れた時、とても美しく素晴らしい内容だと思いましたが、一方で、 現実のデータに適応するには少々数学的な制約が厳しいと感じたの がこの研究の始まりでした。ビッグデータの時代と言われる昨今、べき 則に従うデータは数多く観測されており、この研究が、 そういった世の中に遍在するべき則を分析するための一助になれば と思っています。 概要 世界はべき則で溢れています。金融市場の株価変動や為替変動といった価格変動分布、地震が起こる間隔などの確率統計分布、そしてインターネットのトラフィックなど世界中の様々なビッグデータが、べき則であらわされることがデータ解析によりわかってきました。ただ、なぜ、べき則が、異なる現象に普遍的に現れるのかといった基本的問題が、未解決なまま残されていました。最近では金融取引の自動化が進み、株価や為替変動の高頻度化
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