創業社長とミーティングをする時に、私が相手に必ず聞くことがある。それは「貴方の夢は何ですか?」ということだ。機関投資家からそのような抽象的な問を投げかけられたことに対して不意をつかれたようなリアクションを見せる人もいるが、大概の社長がとても嬉しそうに、そして少しあらたまって話しを始める。 「戯言だと思って聞いて下さい」と言いながらも、力のある人物ほどにその眼差しは強く、イキイキと話をする。「時価総額1兆円の会社になりたい」とか「世界中の人々に自分たちのサービスを届けたい」とか「圧倒的なパイオニアである競合他社をいつの日か抜き去りたい」というようなことを語る社長が多い。 大風呂敷を広げているなどとは誰も思うまい。彼らはある程度の成功を収めて上場企業にまでなったわけだし、今も無我夢中(我なし夢の中)で夢の軌跡を歩んでいる最中である。逆に、今の延長線上にあるようなものを夢として語るようでは、この