サッカー界の老舗クラブ、ジェフ千葉が今季、45年間守り続けてきた「1部」の看板を下ろした。前身の古河電工時代は、川淵三郎名誉会長、日本代表の岡田武史監督らを輩出した老舗クラブが、ついにJ2降格。日本のチームとして初のアジアタイトルを獲得した歴史も持つ伝統ある名門に何が起きたのか。アレックス・ミラー、江尻両監督が指揮を執った千葉の09年シーズンとは−。(占部哲也) 「ガシャン!」。7月28日の午前練習前、ロッカールームに怒気を含んだ衝突音が響いた。三木社長から突然の解任を言い渡されたアレックス・ミラー前監督は、練習メニューを書き込んだボードをごみ箱へ投げ付けたのだった。名門リバプールから来た指揮官を見つめる選手に、昨シーズンにはあった憧憬、畏怖のまなざしはもうそこにはなかった。 開幕当初から歯車は狂い始めていた。今季のベンチから、遠藤通訳の姿が消えていた。ミラー監督の方針で、通訳の枠に江尻コ