(2013年4月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ある世界有数のコモディティー(商品)商社の首脳の見るところ、アーネスト・ヘミングウェイはスイスを描写した表現で農産物市場の現状を正確に表していた。「平らな脇道よりも上り下りがずっと多い、小さな急勾配の国」――がそれだ。 ブンゲのCEO(最高経営責任者)、アルベルト・ワイサー氏は、先日ローザンヌで行われた本紙(英フィナンシャル・タイムズ)の「グローバル・コモディティーズ・サミット」で、この描写は特に過去5~6年の動きに当てはまると述べた。多くの基礎的な食料品の価格は急激な変動を示してきた。 実際、現時点では、農産物を含むほぼすべてのコモディティー市場が山の斜面を急激に転がり落ちている。そして、商社の幹部たちは、最近の価格下落はまだ続くと考えている。 例えば鉱山会社や石油生産業者などと異なり、ブンゲ、カーギル、ヴィトルといった現物を扱う