ギリシャの首都アテネで2012年2月、財政緊縮策に反対する高校生デモの警備に当たる機動隊にほえる「デモ犬」=AP 【ローマ=石田博士】アテネ市当局は3月31日までに、ルビーと呼ばれる雄の野良犬の拘束を解いたと発表した。ギリシャの財政再建を監視するためにアテネを訪れた欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)の査察チームに激しくほえた後、捕まっていた。 EUやIMFが主導する緊縮財政によって不景気が深刻化しているギリシャでは、反緊縮デモが続いている。デモ隊に寄り添って歩き、警官隊にほえる「デモ犬」の存在は、海外メディアにも大きく取り上げられてきた。ルビーはその代表格だという。 地元メディアは「IMFなどに盾突いたら、犬でも捕らえられ、追放されるのか」と、行く末を案じていた。市当局は「捕らえたのは、人をかんだという苦情のためで、査察チームの件は関係ない」とし、「4本足の我が市民は路上に戻っ