(英エコノミスト誌 2013年3月23日号) 自由貿易については日本の新首相をひとまず信じよう。 安倍首相は国内のTPP反対論を押し切れるか〔AFPBB News〕 日本の安倍晋三首相は、3月15日にいわゆる環太平洋経済連携協定(TPP)を構築するために米国を含む11カ国との自由貿易交渉に参加すると発表した際、日本が参加すべき理由を説明するために2つの手段を用いた。 1つは言葉を使ったもの、もう1つは意識下に訴えるものだ。 安倍氏はまず、自由貿易協定に不安を抱く国民に対し、やるなら今しかないと訴えた。日本はより開放的な貿易を目指す世界的なトレンドに加わるか、内向きになって孤立するか、どちらかしかないというわけだ。 次に安倍氏は地図を使った。その地図は、既にTPP交渉に参加している国を黄色で示していた。日本は赤だ。そして日本の背後にそびえるのが、何も色が塗られていない大きな中国だ。 安倍氏率