旅館が減り続けてきたのに対して、ホテルはこれまで増え続けてきた。旅館数にまだ大きく及ばないが、客室数だけを比べるとホテルのほうが多い。これは複数の小規模旅館に大規模ホテルがとってかわっている、ということでもある。かつて出張者や工事作業員を受け入れていた駅前の商人宿はすでにほとんどの地域から姿を消し、今はそこが宿泊特化型のビジネスホテルになっている。 一見すると社会のニーズが商人宿から移り、そのビジネスホテルの経営は順風満帆のように見える。しかし多くの地方都市には全国に多店舗展開する大手ビジネスホテルチェーンが押し寄せる。きれいで清潔な客室を持つだけでなく、現場オペレーションを標準化し、低価格競争も積極的に仕掛けている。 なぜホテル経営が難しいのか。それは装置型産業であり、また提供するサービスが労働集約的であるからだ。施設建設に多額の投資が必要なだけでなく、日々の清掃等の施設整備も欠かせない
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