静岡県立中央図書館(静岡市駿河区)で本の貸し出しにとどまらない様々なサービスが好評だ。若者だけではなく大人にも「活字離れ」が進んでいると言われる中、健康医療情報の提供やインターネットを活用した貴重な資料の閲覧などのアイデアで、2011年度の来館者に対する満足度調査では、87・9%(前年度比3ポイント増)が「満足」と回答した。人気の秘密を取材した。(古屋祐治) ニーズの開拓 館内に入るとまず、壁のほぼ一面に広がる大きな書棚と、新聞記事の切り抜きが貼られた掲示板が目に入った。書棚をのぞくと「がん」や「メタボリックシンドローム」の文字が並ぶ。 昨年7月に設けられた「健康医療情報コーナー」だ。病気や高齢化など、医療に対する情報を提供するために、昨年度、健康医療に関する書籍約1500冊を購入した。 家族や自分の健康を心配する県民は多いが、いきなり病院には行きづらい、という人も多い。同館企画振興課の森