将棋のプロ棋士とコンピューターソフトによる5対5の団体戦「第3回電王(でんおう)戦」第3局が29日、大阪市阿倍野区の日本一の高層ビル「あべのハルカス」で指され、豊島将之七段(23)がソフト「YSS」を破った。初戦から連敗していた人間側は負け越しのカド番をしのぎ、対戦成績を1勝2敗とした。 電王戦が東京以外で指されたのは初めて。「天空の決戦」と銘打たれた地上259メートルのホテルのスイートルームでの対局に、関西若手のホープ豊島七段は序盤から飛車角の大駒が飛び交う「横歩取(よこふど)り」作戦を採用。急戦に持ち込みリードを広げ、危なげなく勝ちきった。 電王戦の人間側の戦績は、昨年3月に勝ってから1持将棋(引き分け)をはさんで5連敗しており、約1年ぶりの勝利となった。