虚無象虫という生き物がいる。 その特徴は鼻(吻部)から星形珪藻を吸い込みブクマムシなどに 好んで吹き付ける生態にある。 虚無象虫から吐き出された星形珪藻を偏光顕微鏡のクロスニコルで 観察すると、色とりどりにみえる。 体内で星形珪藻を一定の厚さに溶かしてから放出しているためらしい。 虚無象虫がそんなことをするメリットはまったくの謎である。 ただ虚無象虫の研究者によれば何となく幸せそうであったという。 また、色付き珪藻をぶつけられるブクマムシの方も悦びに震える様子が 確認されるため、なんらかの共生関係にあるらしい。 なお、色のついた星形珪藻は、珪藻画家に重宝されている。
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