福岡県宗像市を発着点として10月21日に開催された全日本実業団対抗女子駅伝の予選会で、レース中に脚を故障した選手が四つんばいで進んだ一件は、今後の駅伝の大会運営に問題点を突きつけた。大学、実業団のランナーが主力の大半を占める日本長距離界において、駅伝が東京五輪の選手強化の軸の一つであることに変わりはない。賛否の議論が巻き起こったこの一件を考える。 【写真】93年の九州一周駅伝4日目、リタイアし道路に座り込み次走者に交代する宮崎・森下広一 アクシデントが起こったのは2区(3.6キロ)だった。岩谷産業(大阪市)の選手が終盤に転倒。選手は立てなくなり、残り約200メートルの距離を四つんばいで進んだ。 主催する日本実業団陸上競技連合などによると、監督控室で中継を見ていた広瀬永和監督からは棄権させるとの要請があったという。だが、本人が続行の意思を示したため、審判は最後まで続けさせた。選手はたすきをつ