このところ、いろいろな週刊誌などに「橋下徹首相」という特集が出る。私にもその取材が来たが、記者は「政治ネタには読者が反応しないのだが、大阪維新の会だけは別だ」といっていた。私も橋下氏が旧来のイデオロギーにこだわらないで「負の所得税」などの思い切った政策を提唱していることは評価してきたが、このところ暴走が目立つ。 一つは、大阪維新の会の市議団が5月議会に提出しようとした「家庭教育支援条例案」だ。これは「発達障害の原因は親の愛情の不足だ」という怪しげな説にもとづいて「1日保育士」の体験を義務づけるものだ。この条例案は橋下市長が「差別を助長する」として市議団に見直しを要請して撤回されたが、維新の会のガバナンスの弱さと知的水準の低さを印象づけた。 もう一つは関西電力大飯原発3・4号機の再稼働をめぐって、関電に対して不可解な要求を出して混乱を助長していることだ。大阪府市統合本部が「原発再稼働の条件」