ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (12)

  • 経済学者と疫学者の暗闘 - himaginary’s diary

    こちらで関連ツイートをブクマしたように、疫学者と経済学者のコロナ対策に関する考え方の違いが大きくなっているようである。簡単に言うと、経済学者が政策介入の無い経済活動を重視し、オミクロン株のインフルエンザ並みの軽症化に鑑みてコロナへの特措法の適用廃止を求めているのに対し、疫学者はオミクロン株の重症化率の低さ以外の要因も重視して、政策介入の撤廃に慎重な姿勢を示している*1。 言うなれば、変異株の未知性を警戒する疫学者側が、経済学のいわゆるナイトの不確実性的な要因を考慮して政策手段を採る余地をなるべく残そうとしているのに対し、経済学者側が法学者張りに法律のトリガー条項を厳格に解釈し、ナイトの不確実性的な要因は捨象する姿勢を取っているように見える。やや皮肉な言い方をすれば、経済危機の際にナイトの不確実性的な要因を持ち出して思い切った財政政策手段を採ることを求めた内外の声に抗し、財政規律や経済の自律

    経済学者と疫学者の暗闘 - himaginary’s diary
  • コロナ禍における共和党員と民主党員の超過死亡率 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「Excess Death Rates for Republicans and Democrats During the COVID-19 Pandemic」で、著者はイェール大のJacob Wallace、Paul Goldsmith-Pinkham、Jason L. Schwartz。 以下はその要旨。 Political affiliation has emerged as a potential risk factor for COVID-19, amid evidence that Republican-leaning counties have had higher COVID-19 death rates than Democrat- leaning counties and evidence of a link between pol

    コロナ禍における共和党員と民主党員の超過死亡率 - himaginary’s diary
  • 開発政策がAK47から学べること - himaginary’s diary

    Mostly Economicsの表題のエントリ(原題は「What can development practice learn from AK47?」)やタイラー・コーエンが取り上げているが、南アフリカのシンクタンクThe Centre For Development and Enterprise(CDE)が開発経済学者のラント・プリチェット(Lant Pritchett)にインタビューしている*1。 以下はその概要。 開発は国レベルで起こるプロセスであり、以下の4つの転換を行う必要がある: 生産的な経済 始めたことを遂行できる能力のある国家 市民の必要や願いに反応する政府 法の下に皆が平等に扱われ、かつ、お互いを平等に扱うことが鉄則となる社会 貧困を無くす小さな活動の積み重ねよりは、国の発展を目指すべき。それが特効薬になる*2。 教育については、世界各国は子供を学校に出席させることには

    開発政策がAK47から学べること - himaginary’s diary
  • 勃興しつつある中国を西側はどのように判断すべきか - himaginary’s diary

    2週間ほど前のエントリで、デロングが中国の直面する問題について以下のように書いている。 The big problem China will face in a decade is this: an aging near-absolute monarch who does not dare dismount is itself a huge source of instability. The problem is worse than the standard historical pattern that imperial succession has never delivered more than five good emperors in a row. The problem is the aging of an emperor. Before modern medicine

    勃興しつつある中国を西側はどのように判断すべきか - himaginary’s diary
  • 2016-12-29 - himaginaryの日記 #comment 純輸出に注目するかどうかが、旧重商主義と新重商主義の分から芽と思われる。 旧重商主義(重金主義あるいは貿易差額主義)は、累積貿易黒字の最大化

    戦後の日の経済成長の方針を重商主義と表現した日経論説を批判するツイートを幾つか目にしたが、Wikipediaを見ると 20世紀に入っても、輸出主導で経済成長を図ろうという政策は、さまざまな形で見られる。このような貿易政策は、新重商主義あるいは単に重商主義と呼ばれている という記述があるので、件の論説委員はその意味で用いたようにも思われる。当該のWikipediaの記述はダニ・ロドリックの表題の2013年1月9日付Project Syndicate論説(原題は「The New Mercantilist Challenge」)を一つの参照先としているが、2015年3月20日付Equitablogエントリでデロングが、これは必読、として抜粋を引用しているので、以下に紹介してみる。 …Economic liberalism… is… dominant…. But its intellectual

    2016-12-29 - himaginaryの日記 #comment 純輸出に注目するかどうかが、旧重商主義と新重商主義の分から芽と思われる。 旧重商主義(重金主義あるいは貿易差額主義)は、累積貿易黒字の最大化
    death_yasude
    death_yasude 2016/12/31
    コメ欄の方が興味深い。
  • インフレが上がらなかったもう一つの理由 - himaginary’s diary

    NY連銀ブログで「Inflation and Japan’s Ever-Tightening Labor Market」というエントリが上がっている。以下はそのまとめの文章。 The Bank of Japan started its asset purchase program in April 2013 in order to stimulate the economy and increase the country’s inflation rate. It had projected that inflation would reach 2.0 percent by 2016, but its September 2016 policy assessment acknowledged that it has not reached its goal, attributing it

    インフレが上がらなかったもう一つの理由 - himaginary’s diary
    death_yasude
    death_yasude 2016/11/16
    パート労働者の方が交渉力が弱いってのもよくわからんが
  • 相模原障害者殺傷事件とピーター・シンガー - himaginary’s diary

    こちらのtogetterを目にして、海外では相模原事件とピーター・シンガーを結び付けた議論はされているのだろうか、とぐぐってみたところ、シンガー自身が豪州ABCのQ&Aという番組でこの問題について追及された際のやり取りを取り上げたデイリーメール記事が見つかった。以下はそこからの引用。 After 19 people were massacred at a disabled care facility in Japan, disabilities advocate Kath Duncan asked Mr Singer whether his views inspired such violence. Ms Duncan only got part way through her question before Mr Singer cut her off to ask, 'And you t

    相模原障害者殺傷事件とピーター・シンガー - himaginary’s diary
  • ドイツ経済は米国型になったのか? - himaginary’s diary

    前回エントリで紹介したStormドイツ経済論の続き。 LP: Many argue that the old German economic model of “cooperative capitalism” has been happily replaced by something more like the American model, where companies focus on short-term profits, workers are restrained, and benefits like unemployment insurance are reduced. You call that an economic myth. Why? SS: It’s a myth because it did not happen. At least it did not ha

    ドイツ経済は米国型になったのか? - himaginary’s diary
  • スティグリッツの産業政策推奨論 - himaginary’s diary

    スティグリッツが下記のを出版し、同名のProject Syndicateコラムを書いている(H/T Economist's View経由のMark ThomaのMoneywatchコラム;同コラムではこのテーマを取り上げた世銀ブログにもリンクしている)。 Creating a Learning Society: A New Approach to Growth, Development, and Social Progress (Kenneth J. Arrow Lecture) 作者: Joseph E. Stiglitz,Bruce C. Greenwald出版社/メーカー: Columbia Univ Pr発売日: 2014/06/24メディア: ハードカバーこの商品を含むブログを見る以下はその一節。 The Nobel laureate economist Robert Solo

    スティグリッツの産業政策推奨論 - himaginary’s diary
    death_yasude
    death_yasude 2014/07/06
    だが選ぶのは安倍ちゃんという問題
  • 東日本大震災で回避されたこと - himaginary’s diary

    Mostly EconomicsでCity JournalにClaire Berlinskiが書いた記事が紹介されていた。冒頭では阪神大震災と比較した東日大震災に対する彼女の評価が記されている。正直なところ小生にはその評価が正しいのかどうか判断が付きかねるが、以下に訳してみる。 地震危険度の削減は今日の世界が直面する都市政策にとって最大の課題である。それが言い過ぎだと思うならば、30秒で百万の人々が命を落とすようなことが他にあり得るかどうか考えてみて欲しい。それにも関わらず、地震に関する政策はあまり議論されることがなく、議論されたとしても誤解に満ちている。広島型原爆の6億倍のエネルギーを放出した3月11日の東日大震災を例に取ろう。続いて発生した福島の原子炉の部分的メルトダウンは原子力に対する国際的なヒステリー反応を引き起こしたが、それより遥かに致命的な脅威が回避されたことに気付いた人は

    東日本大震災で回避されたこと - himaginary’s diary
    death_yasude
    death_yasude 2011/08/27
    官製不況とかおっしゃってた某池田さんコメントください
  • ABBAと一億総中流と製造業 - himaginary’s diary

    先ほどNHK-BSプレミアムでABBAを取り上げていたが、お金絡みのテレビ番組で挿入曲として良く使われる曲に、ABBAの「Money, Money, Money」がある。改めてこの曲の歌詞を読んでみると、仕事に追われて生活にゆとりがない女性が金持ちの世界に憧れ一攫千金を夢見る、という内容のようである。 まさにそうした拝金主義をノアピニオン氏が直近のエントリで批判し、ブログの昨日エントリへのコメントでご紹介いただいた。そのエントリで氏は、日ではそれほど給与の高くない仕事に就いている人もプロとして遇され、上記の曲の女性のように負け犬根性を持つことも無い、と書いている。ただ、同エントリのコメント欄では、小泉改革以降それも変わりつつあり、「一億総中流」という言葉は聞かれなくなった、という指摘がなされ、ノアピニオン氏もそれに同意している。 一方、そうした中流社会の崩壊は製造業の軽視によるものだ、

    ABBAと一億総中流と製造業 - himaginary’s diary
    death_yasude
    death_yasude 2011/08/19
    人間的な労働に回帰するんじゃねーかな、ロボットには椅子と自転車の区別は付かない(ちょっと嘘)/美容師が機械にとって替わられるってないでしょ
  • トレーニング・デイ - himaginary’s diary

    最近持ち上がった齊藤誠氏と飯田泰之氏の論争(というほどのものでも無いかも知れないが)を興味深く拝見したが、非自発的失業に関する齊藤氏の発言 実は、経済学研究の先端で厳格なトレーニングを受けた研究者は、「非自発的失業」や「自発的失業」という言葉をほとんど使わない。 を読んで、吉川洋氏が以下の著書で報告したルーカスの発言を思い出した。 ケインズ―時代と経済学 (ちくま新書) 作者: 吉川洋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/06/01メディア: 新書購入: 12人 クリック: 297回この商品を含むブログ (23件) を見る 少し長くなるが、その発言を報告した部分の後の吉川氏の現代経済学への評価も含め、以下に引用しておく。 一九七七年私はイェール大学の大学院生だった。イェール大学はアメリカ・ケインジアンの総帥ともいえるトービンの影響下に、当時米国でケインズ経済学が生き残っているほと

    death_yasude
    death_yasude 2010/10/21
    デンゼルワシントンが珍しく悪役やったやつだっけ?
  • 1