ブックマーク / note.com/iovis_takahasius (12)

  • TVアニメ『解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ』について:現代の貴種流離譚における女性の排除|髙橋優

    2023年7月11日追記:過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、文に修正を加えました。) 男は自分もまた血を流して初めて女性と肩を並べることができたと感ずることができ、肉体的な暴力と抑圧という男根的誇大妄想を存分に伸長させることができるのである。 女性に対する男性の深刻な劣等感、雄おすとしての劣等意識が癒される必要があるからこそ、血は流されねばならないのだ。生を授けるのは女であって男ではなく、死を支配するのも女であって男ではないことを男は知っているのである。 (ニコラウス・ゾンバルト(田村和彦訳)『男性同盟と母権制神話: カール・シュミットとドイツの宿命』法政大学出版局、1994年、93頁) 2023年3月に放送が終了したTVアニメ『解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ』は遅咲きの作品だった。物語が大きく動き、タイトルに掲げられ

    TVアニメ『解雇された暗黒兵士(30代)のスローなセカンドライフ』について:現代の貴種流離譚における女性の排除|髙橋優
    death_yasude
    death_yasude 2023/05/07
    これ語りは面白いのに見たらウーンってなるアニメだわ
  • TVアニメ『アキバ冥途戦争』におけるアキバブームの刻印:メイドに関する偽史的想像力をどのように考えるべきか|髙橋優

    Twitterでの指摘を受けて、稿の文末に追記を加えました。 博徒の子分は理非を辨へずに、ひたすらに親方の指揮に服從する。 (柳田國男「親方子方」『定 柳田國男集 第十五巻』筑摩書房、1963年、390頁) 2022年12月に放送が終了したTVアニメ『アキバ冥途戦争』は、加藤智大による無差別殺傷事件(2008年6月8日)を生むような秋葉原の都市構造の変容を前提とした、マッチポンプ的な作品だった。 作は「萌えと暴力について」というキャッチコピーを引っ提げて、秋葉原でメイドとして働く女たちがヤクザ映画さながらの殺し合いを演じる様子を余すところなく描き出す。1999年の秋葉原を舞台に繰り広げられるのは、メイドカフェグループ間の血で血を洗う抗争とメイドカフェグループ内部の内紛だ。作において、秋葉原はメイドカフェグループの双璧をなすケダモノランドグループとメイドリアングループによって牛耳ら

    TVアニメ『アキバ冥途戦争』におけるアキバブームの刻印:メイドに関する偽史的想像力をどのように考えるべきか|髙橋優
    death_yasude
    death_yasude 2023/04/06
    なんか違うのは書き手の世代的にちょっとずれてるせいか
  • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第6回:『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』|髙橋優|note

    感じることが必ずしもよいとはかぎらない。……感傷性は残忍さの嗜好と完全に両立する。 (スーザン・ソンタグ(北條文緒訳)『他者の苦痛へのまなざし』みすず書房、2003年、101頁) フィクションにおいて、戦争のおぞましさや悲惨さを伝えようとするとき、そこには大別して二つの方向性が認められる。一方で、軍人が残虐な行為に手を染める様子を執拗に見せたり、愚かな政治が開戦の決断にいたる過程を丁寧に描いたりすることによって、戦争における「加害」の側面を強調することがある。他方で、末端の兵士が戦場で無惨に死んでいく様子を接写したり、民間人が無差別攻撃で次々に命を奪われる様子を大写しにしたりして、戦争における「被害」の側面に力点を置くこともある。 社会学者の福間良明は時に相克する両者の背後に、「論理や事実に依拠した公的な意見・政治意識」としての輿論(public opinion)と「私的な感情にとどまる大

    名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第6回:『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』|髙橋優|note
  • 社交・顔・感情:TVアニメ『シャドーハウス』が描いた宮廷社会のカリカチュア|髙橋優

    記事は『シャドーハウス』の原作第4巻、TVアニメ最終話までのネタバレを含みます。原作未読、TVアニメ未視聴の方はご注意ください。 はじめに 他者の真意や素質を確定する手段が乏しいところでは、「今ここ」での現実的選択の必要性が、まさにそれゆえに未来への跳躍へとただちに転換する。……それほど知らないが、今後関わる可能性がある他者に向き合うとき、視線はとりわけ顔という場所に引き寄せられる。そのとき、何らかの手がかりから推論するというよりも、漠然とした「感じの良さ」や「悪さ」が、謎めいた吉兆や凶兆のように映るのではないか。 (遠藤知巳『情念・感情・顔:「コミュニケーション」のメタヒストリー』以文社、2016年、579頁) 2021年7月4日、「世にも奇妙なゴシックミステリー」として話題沸騰中のTVアニメ『シャドーハウス』が最終回を迎えた。作はまさに「怪作」と呼ぶにふさわしいユニークな作品であ

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  • TVアニメ『アクダマドライブ』が暴く大阪のセルフオリエンタリズム:関西弁・お笑い・維新政治の連関|髙橋優

    はじめに何をもって「大阪らしさ」と言うかは難しいところです。しかし、対談をしてわかったことのひとつは、漠然としたイメージだとしても、その「大阪らしさ」というものが、どんどん失われつつあるのではないかということでした。古ければいいというものではありませんが、一度壊れてしまった「大阪らしさ」という文化を再構築することは極めて困難でしょう。 (仲野徹『仲野教授のそろそろ大阪の話をしよう』ちいさいミシマ社、2019年、324頁) 2020年12月に放送が終了したTVアニメ『アクダマドライブ』はクライム・アクションの秀作であった。作は「カントウ」との戦争に敗北を喫し、カントウの属国となった「カンサイ」を舞台に、「アクダマ」と呼ばれる凶悪犯罪者が権力に立ち向かう姿を描いたオリジナルアニメ作品だ。稿は、作が日における東西の相克を下敷きにして、大阪のセルフオリエンタリズムを暴いた作品だという解釈を

    TVアニメ『アクダマドライブ』が暴く大阪のセルフオリエンタリズム:関西弁・お笑い・維新政治の連関|髙橋優
    death_yasude
    death_yasude 2022/07/23
    主人公をベリーショートにするのはアニメ的にはかなりのチャレンジなんじゃないか
  • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第4回:『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』|髙橋優

    はじめに【凡例】 『ファースト』=『機動戦士ガンダム』 『Z』=『機動戦士Zガンダム』 『ZZ』=『機動戦士ガンダムZZ』 『逆シャア』=『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)は、『機動戦士ガンダム』(1979~1980年)・『機動戦士Zゼータガンダム』(1985~1986年)・『機動戦士ガンダムZZダブルゼータ』(1986~1987年)の3作に続いて劇場公開され、アムロとシャアの物語としてのガンダム・サーガに一区切りをつけた伝説的なアニメ映画だ。しかし、私が虚心坦懐に見たかぎり、『逆シャア』は作中のクェスよろしく、「私、みんな知っていたな」という調子で既視感に溢れた作品だった。何となれば、『逆シャア』は『Z』(及びその続編である『ZZ』)と同じ主題を反復しており、新味に欠けたからだ(詳しくは後述する)。もちろん、モビルスーツ及び戦闘シーンの割

    名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第4回:『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』|髙橋優
    death_yasude
    death_yasude 2022/06/22
    普通ならアムロとシャアのポジションは逆にするんじゃねーかな覚醒した真のニュータイプであるアムロが人類粛清に踏み切ってシャアがそれを阻止することで父ジオン・ダイクンの思想を乗り越えるというベタな話
  • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第2回:『機動戦士Zガンダム』|髙橋優

    はじめに:『Z』に対する賛否両論について 『機動戦士Zゼータガンダム』(1985~1986年、以下『Z』と略称)は、放送直後から賛否両論のあった作品らしい。アニメスタイル編集長の小黒祐一郎はコラム「アニメ様365日」のなかで、次のように複雑な思いを吐露している。 『機動戦士Zガンダム』は年齢によって評価が分かれる作品だ。大雑把に分類すると、先のブームで『機動戦士ガンダム』第1作に触れたファンには否定派が多かったはずだし、『Zガンダム』で初めて『ガンダム』を観た人には肯定派が多いようだ。僕はこの作品を肯定できない。ただし、色々と複雑な思いもあり、「こんなのは『ガンダム』じゃないよ!」と頭ごなしに否定する事もできない。そのあたりが自分でももどかしい。 『Z』に対する当時の反応は、アニメ評論家の藤津亮太による「ドキュメントZガンダム」のなかで詳しく取り上げられている。藤津は『Z』が嫌悪感を抱かれ

    名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第2回:『機動戦士Zガンダム』|髙橋優
  • 名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第1回:『機動戦士ガンダム』|髙橋優

    2023年7月11日追記:過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、文に修正を加えました。) 企画の趣旨について 私は「ロボットアニメ」というジャンルに強い苦手意識、いや忌避感を持っていた。 理由は大きく分けて二つある。第一に、戦後日におけるTVアニメの開闢以来、「ロボットアニメ」の歴史は分厚く積み重なっており、近寄りがたいジャンル(要は「一見さんお断り」)に思えたことが挙げられる。高校や大学の先輩方にも「ロボットアニメ」に造詣の深い方は少なくなかったが、彼らが推薦する作品はどれも、2009年の大学入学時点で少なくとも10年以上前のアニメばかりで(例えば『マクロス7』など)、青年期の私には「懐古厨」的な(もっと言葉を悪くすれば「老害」的な)仕草に映った。加えて、細かな知識の量と正確さを競い合うような彼らのコミュニケーションに怖気づいた。彼らの仲間

    名作/迷作アニメを虚心坦懐に見る 第1回:『機動戦士ガンダム』|髙橋優
    death_yasude
    death_yasude 2022/02/02
    ガンダム褒めといたほうが絶対に賢い振る舞いなのにいまいち乗り切れないというか好みじゃなかったのが伺える
  • TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資本主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて|髙橋優

    TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて はじめに資主義の終わりを想像するより世界の終わりを想像する方が簡単だ。 ――フレドリック・ジェイムソン「アメリカのユートピア」 (フレドリック・ジェイムソンほか著、スラヴォイ・ジジェク編(田尻芳樹/小澤央訳)『アメリカのユートピア:二重権力と国民皆兵制』書肆心水、2018年、13頁) 資主義を飼いならすことはできないし、資主義の外に出ることも決して容易ではない。2021年3月に放送が終了したTVアニメ『弱キャラ友崎くん』(以下『友崎くん』)は、そんなことを教えてくれる傑作である。 作の主人公・友崎文也は、友達も彼女もいない「陰キャ」で「ぼっち」の高校生だ。しかし、その裏の顔は家庭用格闘ゲーム「アタックファミリーズ」(通称「アタファミ」)のレート一位、日最高峰

    TVアニメ『弱キャラ友崎くん』が映し出す現代資本主義の袋小路:宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と終わらない「自己啓発」を超えて|髙橋優
    death_yasude
    death_yasude 2021/03/31
    アニメ関係なく語りたいだけだろと思ったらきちんとアニメを絡めてて偉い。評論は面白かったけどこのアニメが面白いかは未知数すぎる
  • 『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急がず焦らず参ろうか|髙橋優

    (2024年2月18日追記) 記事の剽窃が発覚しました。詳細はこちらの記事をご参照ください。 はじめに 前回鼎談(歴史編)に引き続き、ゲストを入れ替えて『鬼滅の刃』に関するオンライン鼎談を実施した。今回は「文学・思想編」と題して、文学・思想研究者の二人をお招きした。前回鼎談のテーゼを踏まえつつも、また別の着眼点から議論を尽くすことで、『鬼滅の刃』をさらに立体的に把握することが可能となった。私としても、切り口一つで作品の風景を一変させられる批評という営みの豊かさを再認識することができ、大いに刺激を受けたところである。以下では、歴史研究とはひと味もふた味も違う文学・思想研究の奥深さ、その一端が読者諸賢の眼前に広がることだろう。 参加者(敬称略) 長谷川晴生(はせがわ・はるお) 最近は「ヨーロッパの右翼に詳しい人」という扱いを受けているものの、人としてはドイツの文学と思想を学んでいるつもり。

    『鬼滅の刃』鼎談企画 文学・思想編(長谷川晴生×藤崎剛人×髙橋優):文化の旅へ急がず焦らず参ろうか|髙橋優
    death_yasude
    death_yasude 2021/03/20
    ハセハルこいつやっぱ頭いいんだろうな
  • 『鬼滅の刃』鼎談企画 歴史編(今井宏昌×嶋理人×髙橋優):戦間期の純情な感情|髙橋優

    記事は『鬼滅の刃』の原作最終回までのネタバレを含みます。 原作未読の方はご注意ください。 (2024年2月18日追記) 記事の剽窃が発覚しました。詳細はこちらの記事をご参照ください。 はじめに世のなかに鬼の族(うから)は多けれど 人にましてぞ鬼なるはなき ――ソポクレース『アンティゴネー』、第1スタシモン(Soph. Ant. 332-3) (日語訳は文学研究者の長谷川晴生氏からのご提案に従った) このたび、漫画・アニメ文化にも造詣の深い歴史研究者の二人を招いて、大ヒットが続く『鬼滅の刃』に関するオンライン鼎談を実施した。『鬼滅の刃』はその内容に鑑みて、私一人の力では到底批評できない作品だと判断した。そこで、ある種の「共同研究」として、戦間期の歴史文化に詳しい二人の専門家を交えて議論を尽くすことにした。三者三様の「言いたいことがあるんだよ」をお楽しみいただけますように。 参加者(

    『鬼滅の刃』鼎談企画 歴史編(今井宏昌×嶋理人×髙橋優):戦間期の純情な感情|髙橋優
    death_yasude
    death_yasude 2021/02/16
    Dr.シマリヒト
  • 髙橋優|note

    【声優批評/アニメ批評】【次回更新予定:2024/5/27 19:00】毎月第4月曜の19:00に声優/アニメに関する評論をアップします。執筆依頼はiovis.takahasius@gmail.comまでメールでご連絡ください。『ユリイカ』湯浅政明特集号に寄稿(2022年6月)。

    髙橋優|note
    death_yasude
    death_yasude 2020/12/30
    北守とハセハルが推しまくってるけど最近アニメ見てないからか全然ピンとこない
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