「こーいち、怖いの……?」 マキエルは鋼一の頭からするすると降りて、肩の上から鋼一の頭をのぞき込んだ。 「大丈夫。『怖い』は勇気を知るための初めの一歩だよ。全然恥ずかしいことじゃないよ」 17歳のとき爆発事故に巻き込まれて死んだ鋼一の目の前に、小さなサルのような姿をしたマキエルが現れた。マキエルは言う。七年前に戻って人生をやり直し、奇跡の欠片を手に入れれば助かる、と。死んでしまうよりは、と鋼一はマキエルの提案を受け入れて、小学四年生からやり直すが……というお話。 これは良かった。 奇跡の欠片が何かは提示されないため、何をすべきかわからないけれど、だったらできることをやっていこうと、今まで後悔というか、あのときやっておけばよかったと思ってたことを、勇気を出してやっていくという展開がいいです。 17際が10歳になったら当然できることもあるように思うけど、実際のところは10歳も同然の精神状