学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設をめぐって、「総理のご意向」などと書かれた一連の文書について、安倍政権は調査のやり直しに追い込まれた。菅義偉官房長官が記者会見で「怪文書」とまで呼び、松野博一文部科学相も「出所不明」と強弁し続けてきた。国民への説明を果たさずにきた責任が問われる。 「追加調査をする必要があるとの国民の皆様の声が多く寄せられております。国民の声に真摯(しんし)に向き合い、改めて徹底した追加調査を行いたい」。松野氏は9日午前の記者会見で「国民の声」という言葉を繰り返した。同日の閣議後、安倍晋三首相に再調査の意向を伝えたという。 文科省は、朝日新聞などが加計学園の獣医学部新設について「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた文書を報じた後の5月19日、「文書の存在は確認できなかった」と発表した。担当する専門教育課の共有フォルダーを調べ、幹部ら7人の聞き