2520億円という巨費を投じての建設の責任と追加負担のなすりつけあいが続いていた、2020年の東京五輪・パラリンピックのメインスタジアム「新国立競技場」だが、安倍晋三首相が「白紙に戻す」と計画を見直す方針を表明した。 大会の組織委員長である森喜朗元首相は、講演先で「東京五輪のレガシーとして残そうというのが我々、スポーツ愛好家の考え方」と語ったとかで、あいかわらず「らしい発言」を展開(「負のレガシーでしょ」とつっこんだ人は、多いはずだ)。 劇作家・鴻上尚史氏は、新刊『この世界はあなたが思うよりはるかに広い』の中で、森元首相とのエピソードを紹介している。2014年ソチオリンピック・フィギュアスケートの浅田真央選手に対する発言に関して書かれたエピソードだが、森元首相「らしさ」も納得できるコラムなので、ここに紹介する。 ◆森・元首相という人 数年前、ラジオ局の偉い人に赤坂の小料理屋に招待さ